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 イッカククモガニ Pyromaia tuberculata (Lockington, 1877)
推定される原産地 東太平洋
推定される移出地 北東太平洋
国内での初発見年 1970年
国内での初発見地 神奈川県、東京都
推定される移入手段 船体付着、バラスト水
国内での分布 東京湾以南の太平洋岸、九州北岸
被害状況 被害報告はない
・同定のポイント
 額角は中央部に1棘が突出し、先端は長く狭い箆形をしている
 甲形は長みのある二等辺三角形で甲面には多くの顆粒がある
 鉗脚は強大で、歩脚は第1対が最も長く、順次長さを減ずる
 などの特徴で他のクモガニ科のカニと見分けることができる
・生態
 内湾の潮下帯以深の砂泥底や固形物の表面に生息し、潮間帯に出現することはほとんどない。
 繁殖期は長くほぼ周年に渡り、早い成長とあいまって貧酸素化によって消滅した個体群を素早く回復できる能力を有するなど、汚濁海域でも生息できる耐性を有する。
・文献
風呂田利夫 2002. イッカククモガニー一年中繁殖と素早い成長により汚濁海域で生き抜く. In 外来種ハンドブック, 日本生態学会(編), 村上興正・鷲谷いづみ監修, 地人書館, 東京: 183.
風呂田利夫・木下今日子 2004. 東京湾における外来種イッカククモガニとチチュウカイミドリガニの生活史と有機汚濁による季節的貧酸素環境での適応性. 日本ベントス学会誌, 59: 96-104.
岩崎敬二・木村妙子・木下今日子・山口寿之・西川輝昭・西栄二郎・山西良平・林育夫・大越健嗣・小菅丈治・鈴木孝男・逸見泰久・風呂田利夫・向井宏 2004. 日本における海産生物の人為的移入と分散: 日本ベントス学会自然環境保全委員会によるアンケート調査の結果から.日本ベントス学会誌, 59: 22-44.
大谷道夫 2004. 日本の海洋移入生物とその移入過程について. 日本ベントス学会誌, 59: 45-57.
日本の海産・汽水産外来種リスト

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